2017年02月17日付

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子どもの声が聞こえない寂しさは想像以上。保育園がないと若者は出て行く。この行事もいつまで続くか―。4年前の夏に迎え盆の伝統行事「振り万灯」の取材で伊那市の小沢地区を訪れた際、高齢の男性がぽつりと話してくれたことを思い出す▼地区にある伊那西部保育園は、市が定めた統廃合基準に園児数が満たなかったため前年度から休園になっていた。ぱちぱちと音を立てて燃える麦わらを子どもたちが元気よく振り回す広場の隣で、静まり返った園舎がひっそりとたたずんでいたのが印象的だった▼市は今年度限りで同園を廃園とする方針を固めたが、このほど地元住民が存続を求める要望書を市と市議会に提出した。住民の6割が保育園が必要と回答したアンケート結果を示し、地域に根差した子育てができない―と訴えている▼同市では園児数の減少から新山保育園や高遠第2・第3保育園も休廃園が危ぶまれたが、いずれも地域ぐるみで園児数を確保して存続を実現させた。市側は同様の努力を小沢地区にも求めるが、新山や高遠からは毎年園児数を確保し続ける負担の大きさを嘆く声も聞こえてくる▼保育園統廃合をめぐっては、茅野市でも住民の反発で議論が始まった。地域の活力を維持しながら、人口減少と公共施設の適正配置にどう折り合いをつけていくか。保育園に限らず、地域がこれから直面していく大きな命題になりそうだ。

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