2017年03月28日付

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「幸福」とは「他人の不幸を見ているうちに沸き起こる快い気分」。鋭い風刺で知られるA・ビアスの著書「悪魔の辞典」(角川書店刊)にはこう書かれている。確かに幸福ということに実体はなく、他との相対評価だったりする。不謹慎かもしれないが、人間の本性のようにも見える▼国連が3月20日の「国際幸福デー」に合わせて「世界幸福度報告書2017」を公表した。それによると、調査対象の155カ国中、日本は51位だった。個人的にはもう少し上の方かと思ったが、どちらかと言えば幸せというぐらいか▼報告書は各国の1人当たりの国内総生産(GDP)や社会的支援のあり方などを基準に14~16年の「幸福度」を算定、ランク付けしたという。上位をノルウェー、デンマーク、アイスランド、スイス、フィンランドといった北欧やその近隣諸国が占めた。いわゆる高福祉高負担と言われる国々▼高い税金も正しく使われている、すなわち国民の幸せに役立っているという実感があるのだろう。国との信頼関係の裏返しとも言えそうだ。もし日本だったら同じ結果になっただろうかと考えてしまう▼その日本の国会では国有地の売却をめぐる不明朗な取り引きが大きく取り沙汰され、国民そっちのけの政争が繰り広げられている。真相解明は必要だが、空虚な政治ショーを連日見せられている国民はあまり幸福とは言えないか。妙に納得する。

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