試験発電を開始 春富小水力発電所

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試験発電が始まった春富小水力発電所の水車式発電機

伊那市春富土地改良区の農業用水路を活用し、県上伊那地域振興局が進めている小水力発電所の建設で、導水管や水車式発電機といった主要施設が完成し、試験発電と固定価格買い取り制度に基づく売電が始まった。残りの外構工事を済ませて十分な試験を重ねた後、土地改良区へ正式に譲与する方針。かんがい期の4~9月に発電し、全量売電で得た収入を農業用施設の維持修繕に充てていく。

県営かんがい排水事業の一環で整備を決め、一昨年9月に着工した。農地整備課によると、斜面にある階段水路をバイパスする形で長さ約40メートルの導水管を建設。高低差を生かして発電機に水を送り発電する仕組みだ。砂やごみを取り除いたりするコンクリート製の水槽(ヘッドタンク)も上部に設けた。

有効落差は22メートル、最大使用水量は毎秒1・12立方メートル。最大出力は197キロワットになるという。事業費は4億円。半分を国交付金で賄い、残りを県と伊那市、土地改良区が負担した。設計・工事を合わせてプロポーザル(企画提案)方式で発注し、ヤマウラが請け負った。

春富土地改良区の組合員は1398人おり、幹線・準幹線水路の延長は合わせて約70キロに及ぶ。織井秀夫理事長は取材に「収入を老朽施設の修繕や改良に役立て、組合員負担を減らしたい。計画通りに発電できることを願う」と話した。同課によると、ヘッドタンクを満水にし、水車への負荷が最大になる状態での試験にも入った。

同課は、地方事務所時代に研究会を設置し、農業用水路を活用した小水力発電の可能性を検討。既に運用する上伊那美和(同市長谷)と、春富の土地改良区で実現性が高いと判断した。今後、中川村にある農業用水路で導入可能性を探るという。

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