5年ぶり1000人超 伊那市の新山循環バス

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伊那市の新山地区循環バス「新山・桜井・貝沼線」の2016年度利用者数が、前年度の約1・3倍の1082人(暫定値)となり、5年ぶりに1000人台に回復したことが、市企画政策課のまとめで分かった。地元住民組織「新山地区循環バスを育てる会」が、地区外からバス利用者を呼び込む狙いで実施したツアーが奏功しており、同課は「モデルケースになる取り組み」と評価。他地区にも参考にしてもらうことで、公共交通機関利用者の減少傾向に歯止めをかけたい考えだ。

市地域公共交通協議会が運行する循環バスやデマンドタクシーは13路線。ここ5年間では、利用者は11年度の約11万人から減少傾向にあり、16年度は9万5000人を割る見込みだ。同課は各路線の維持存続に向け、利用促進策などを検討する住民組織の立ち上げを呼び掛けていて、これまでに同路線を含む4路線で住民組織が発足している。

同路線は毎週火、木曜日に1日2便運行。1便当たりの乗客数は5・52人(暫定値)で、前年度を1・38人上回った。路線存続に向けて「乗客5人以上」を目標に活動してきた同会は「皆さんの協力のおかげ」と謝意を示す。16年度は、ハッチョウトンボ観察ツアーやキノコ狩りツアーなどを初企画、市街地の人たちに循環バスで新山に来てもらい、魅力を体感してもらった。一方、地元高齢者グループなどは、地区外の入浴施設へのツアーを組むなどし、利用者数を押し上げた。会によると、ツアーや自主活動での利用者数は延べ約220人で、全体の約20%を占めた。

単純計算すると、日常利用者数は約870人。前年度の812人を上回っており、16年度にルート変更したことも利用者増の一因と見られる。ただ、同会の羽場昇会長(67)は「少子高齢化で、日常的に利用する人が今後増える要素は少ない。路線維持には住民の努力が必要」と指摘。新山の景観を楽しめる「三界山登山ツアー」を新たに実施していくことなどにより、「バスを利用する機運が高まれば」と期待している。

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