2017年05月02日付

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停滞感を突き破るため、従来の型にとらわれず新たな考え方や組み合わせで技術を開発したり経営革新を図ったりして、突破口を開こうとするのが、いわゆるイノベーション。経済セミナーでも多く取り上げられるテーマだ▼先日、茅野商工会議所が先輩技術者を講師に、製造業向けのセミナー「イノベーション構築のヒント」を開いた。イノベーションの実践例を語ったのは、セイコーエプソンの元専務取締役相澤進さん。商品開発責任者として、同社で水晶腕時計やプリンター、小型液晶パネルなどの開発に携わった▼講演では、なぜ地方の一企業に世界の製造業をリードする風穴が開けられたのか、舞台裏が語られた。紹介されたのは、水晶腕時計の開発。踏み出すきっかけになった外国メーカーの電子時計の衝撃を、「とんでもない時計が出てきた」と振り返る▼当時、入社3年の若手エンジニアだった相澤さんがしたことは、会社のトップへの直訴。新しい技術の重要性と専門知識の必要を訴え、理解してもらい、新分野への足掛かりを作った。なぜできたのか。トップと技術者の信頼関係だ。「トップの決断が早く、トップと研究者が直結していた」▼専門外のプリンター開発の場面では、現場の熱意を「設計と製造の部門が一体だった。素人集団で自然とそうなったのかも」と回想。発想を広げるためには、「自分で自分を縛らないこと」と語った。

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