範囲広げ種子除去始まる 県の諏訪湖ヒシ対策

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沖合では人力でも引き上げ(写真上)。漁船で引いたレーキをバックホーで引き上げ。芽が出たヒシの種子がびっしりと絡まる(写真下)

県は9日、諏訪湖底の泥の中に埋もれている水草ヒシの種を取り除き、夏の過剰繁茂の抑制を図る種子除去の作業を下諏訪町高木沖で始めた。昨年度は2500平方メートルのエリアで実施したが、今年度は40倍の約10ヘクタールに拡大。今夏の繁茂状況を観察しながら、効果を分析し、今後の対策に役立てる。

昨年5月に50メートル四方のエリアで実施した種子の試験除去では、7月までは効果が見られたが、徐々に除去エリア外からヒシが広がり8月にはほとんど区別がつかなくなった。今年度は除去エリアを拡大するとともに来月以降も観察を続け、必要に応じて刈り取る。

県は除去した種子や芽の成分分析も行い、窒素やリンの吸収量を調べる。ヒシは枯れて沈むと水質を悪くし、湖底貧酸素を引き起こす一因にもなるが、生育段階で窒素などを吸収し、水質浄化に一定の役割を果たす。このため、これまではある程度育った後に刈り取り船で取り除いてきたが、繁茂する前でも一定の水質浄化効果が確認できれば、種子の段階からの除去を本格化させ、ヒシ対策をより効率的に行う。

除去作業は諏訪湖漁業協同組合(藤森貫治組合長)が請け負った。早朝から組合員約20人が参加し、組合所有の7艘が鉄製の歯が付いた「レーキ」(幅1・8メートル)を湖底に沈めて引っ張り、引き上げた。ヒシは種子から約20センチの芽と約10センチの根が生え、全長で約30センチに育った株が多く、1回の引き上げで、200~300株ほどのヒシが絡みついた。レーキは歯の長さや形状が異なる3種類を用いて効率性を確認しながら作業を進めていた。

種子除去の対象エリアは夏場、特にヒシの繁茂が激しい場所で岸から沖合に向かって約350~500メートル、幅約250メートルの範囲。今月末までを作業期間とし、 気象や波の状況を見ながら計7日間で作業を終える予定だ。初日は岸から約150メートル、幅約125メートルのエリアを中心に実施し、軽トラック約1台分を集めた。

作業初日は、関昇一郎環境部長ら県職員幹部らが藤森組合長の説明を受けながら作業の様子を岸と湖上から視察した。関部長は「種子除去の効果を観察しつつ、しっかりと検証したい。種の段階から早期に除去することで、湖面を覆うヒシが薄くなれば魚にとっても有益な空間になるのでは」と期待を寄せた。

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