2017年05月14日付

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アルプスを訪れる登山客をそのまま帰してはもったいない。まちに導きにぎわい創出につなげたい―。中央、南の両アルプスに挟まれた伊那市や駒ケ根市で、登山客を中心市街地へ誘導する試みが始まっている▼アルプスの山並みやそば、温泉、田園風景などがイメージに挙げられる信州。その多くを備えながら、県の統計では上伊那地方は観光客数、観光消費額ともに県内10広域のうち下から3番目の水準にとどまる。現状は厳しいが、逆に豊かな資源を生かすことができれば、伸びしろは大きいとも考えられる▼山とまちを結び付けようと、伊那では若者らが任意団体「ASTTAL(アスタル)」を立ち上げ、市街地でアウトドアイベントを開いたり、リンゴのシードルやソバのガレットなど新たな地元グルメを発信したりと精力的に活動。駒ケ根でも住民有志による「こまがねテラス」の取り組みが始動した。住民主導の行動が頼もしい▼自ら登った県内430の山々を手描きの地図で紹介する伊那市の宮坂七郎さんは、アルプスだけでなく、里山と地域の史跡、美術館などをセットで歩く楽しみ方を提言する▼山とまち。テーマを絞ればさまざまな人やアイデアの結集が期待できる。交通対策や登山客を引き付けるまちの魅力向上といった課題はあるがザックを背負った登山者がまちを行き交う光景に夢を膨らませ、これからの取り組みに注目したい。

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