2017年06月24日付

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麓から見るかぎり、中央アルプスの千畳敷カールにはまだかなりの雪がありそうだ。今年の梅雨の序盤は少雨で、水不足が深刻化している地域もあったが、アルプスに水源を持つ川にはそこそこの流れがあった▼残雪は貯水タンクのようなもので、気温の上昇とともに解け、麓へ流していく。信州の山の恵みはこういうところにもある気がする▼中ア駒ケ岳ロープウェイのスタッフブログが、ゴンドラの車窓から見えるという千畳敷駅東のタカネザクラの開花を知らせてから10日が過ぎた。桜の便りは標高2600メートルまで届き、高山帯に“春”の訪れを告げている。残雪のカールでは、雪解けを待つ高山植物が花を咲かせる準備をしていることだろう▼山々の緑が濃くなる夏―。今年も「信州山の日」や国民の祝日「山の日」にちなんで山に親しむ催し物が計画されている。地元の観光協会が行うイベントの中に「懐かしの学校登山のルートをガイドと歩く」とうたったツアーがあった。中学校の集団登山でたくさんの感動をもらえた人たちには、思い出をたどる楽しそうな山行になりそうだ▼登山道では森林限界を越えるあたりで風や空気が変わるのが分かるだろうか。稜線から見る風景は疲れを吹き飛ばしてくれるかもしれない。天気次第だが、雨に降られ、学校登山に大変だった思い出しかない人たちにも、古里の山の恵みを体感する機会になってほしい。

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