変わるスワリカ[4] 進む手続き

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諏訪東京理科大の公立化に向けて握手を交わす諏訪6市町村長と理事長・学長予定者

「諏訪東京理科大学の学部学科の改編については4月28日付で文部科学省に届け出た。事前相談をしているということで、届け出た時点で基本的に承認の形となった」

諏訪東京理科大(茅野市)を運営する学校法人東京理科大(東京)の担当者は、5月25日の第15回諏訪東京理科大学公立化等検討協議会でこう語り、来年4月の公立化に向けた手続きが着実に進んでいることを報告した。

公立化によって大学はどう変わるのか。まず大学を設置、運営する主体が変わり、私大が公立大になる。具体的には学校法人東京理科大から、諏訪6市町村の諏訪広域公立大学事務組合が設立する公立大学法人公立諏訪東京理科大に移ることになる。

大学の名称は「公立諏訪東京理科大学」。工学部と経営情報学部の2学部4学科を、工学部の情報応用工学科と機械電気工学科からなる1学部2学科に再編し、情報通信や人工知能、ものづくりを学び、研究する環境を整える。入学定員は同じ300人。

また、東京理科大の姉妹校として同大への特別編入学制度を継続し、海外インターンシップや語学研修など国際化対応を進める方針だ。開学以来の「工学と経営学の融合教育」を受け継ぎ、マネジメントの素養を身に付けた技術者の輩出を目指す。教員数は3人増の58人を見込む。

一方、研究や教育を支える事務職員は25人(15年5月現在)と少ない。人事給与や財務会計、労務管理、学生情報などを東京理科大のシステムを使って効率化しているためで、公立化後は独自のシステムや職員体制を構築する必要が出てくる。

それらの課題は公立大学設立準備委員会ワーキンググループで調整中だ。茅野市大学準備室によると、職員は現職員の意向によるが「数人」を増員する予定。ハード面の整備が必要になるシステムの構築は来年4月の完全移行を目指しつつ、「混乱を避けるために東京理科大のシステムを一部お借りすることもあり得る」とする。

組合は7月3日に開く議会臨時会に公立大学法人定款案などを提出する。議決を経て、7~8月にも法人設立認可申請を県に提出。東京理科大は諏訪東京理科大の設置者を公立大学法人に変更する認可申請を文科省に届け出る。東京理科大の要望書提出から1年9カ月を経て公立化は具体化しつつある。

文科省によると、公立大に移行した私大は09年度以降に8大学。諏訪東京理科大と同じ東京理科大の姉妹校である山口東京理科大(山口県山陽小野田市)は16年度、長野大(上田市)が17年度に公立化した。県内では18年4月、諏訪東京理科大。このほか、県短大(長野市)が4年制の県立大へ移行する。

諏訪東京理科大の公立大学法人理事長予定者でアサヒグループ食品前社長、東京理科大OBの唐澤範行氏(56)=箕輪町出身=は、同大が中南信地域唯一の工学系大学であることを踏まえてこう話した。「公立化で今まで以上に諏訪地域、長野県の発展に貢献できる」

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