2017年08月12日付

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本は子どものころから好きだったが、読書感想文は苦手だった。何を書いてよいか分からず、本のあらすじだけでマス目を埋めたような気がする。今でも夏休みの課題にあるのだろうか▼「青少年読書感想文全国コンクール」が今年63回目を数える。昨年の最優秀賞の一人、徳島県の小学3年生土井優理さんは、何から何までが逆という「さかさ町」(岩波書店)の楽しいお話を読んだ。今までとは違う視点を本が教えてくれたようだ▼土井さんの家は母親ではなく父親が毎日朝食を作る。それを友だちに話したとき、びっくりされた。土井さんは「さかさ町」を読んで、こう考えた。朝食を父親が作る家も、母親が作る家も「どちらも正しい」。自分とは逆だなと思っても、「自分の考えだけが正しいと思わずに、あい手の立場に立って」逆であることを楽しみたい、と▼コンクールのホームページを見ると「読んで世界を広げる、書いて世界をつくる」というキャッチフレーズがある。読書感想を絵で表現する部門もあるそうだ。子どもたちの発想がどんどん広がることだろう▼そういえば、以前、地元書店のベテラン店員さんに「本との“出合い”を楽しんでください」と言われたことを思い出す。「食わず嫌い」しないで、いろんな分野の本を手に取ってみる。新しい考えや、違ったものの見方があることを知る。何か、人間関係と同じ気がしてくる。

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