登山者位置情報把握システム 実証実験始まる

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SSSの担当者から説明を受ける柳平市長(右)

茅野市は30日、ソニー(東京都港区)と同社の半導体事業を手掛けるソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS、神奈川県厚木市)と市役所で会見し、同社独自の低消費電力広域ネットワーク技術(LPWA)を使って登山者の位置情報を把握するシステムの実証実験を始めたことを正式に発表した。柳平千代一市長は「日本一、世界一安全な八ケ岳を実現したい」と語り、商品化に伴う山岳事故の迅速な救助や遭難死亡者の減少に期待を寄せた。

LPWAは、ソニーのデジタル信号処理技術やテレビの受信技術を生かした、消費電力が少なく遠距離電送が可能な無線通信技術。実証実験は、GPS(全地球測位システム)を搭載したLPWAの送信機が発する位置情報を市役所で受信し、広域的に把握できるか調べるのが目的。登山者のバックパックや車両に送信機を搭載し、携帯者の位置を3分に1回、ウェブ上の地図に記録した。

SSSは4月から2回のテストを経て、今月1日に茅野市と実証実験に関する2年間の協定を締結。八ケ岳から約20キロ離れた市役所屋上に受信アンテナを設置した。市役所を受信拠点にした試験は29日に初めて行い、SSSの担当者は「八ケ岳の稜線(りょうせん)の西側(諏訪6市町村)をほとんどカバーできる。登山者と車両の追跡ができることも確認できた」と成果を強調。下山の場所と時間を特定して「ピンポイント」で登山者を送迎することにも成功したという。

送信機は高さ17.5センチ、幅4.8センチ、厚さ1.5センチで、重さは65グラム。送信回路は14ミリ×22ミリ。電源のコイン電池は1日1回の位置データ送信で10年間の動作が可能という。

今後は冬山など厳しい条件で実験を重ねる。商品化やサービス提供の時期は未定だが、小型化に向けて電池やアンテナ、防水、耐寒などの仕様を「満足する製品に仕上げたい」とする。すでに県内企業に一部の設計を依頼しているといい、「技術のある会社に発注したい」と地元企業との連携に意欲を示した。

SSSの北園真一さんは「危険予知や安心安全、効率化などさまざまな社会問題に(ソニーの)ソリューションを提供したい」と語った。ソニーを茅野市に紹介した森ビルメディア企画部長で市行政アドバイザーの矢部俊男さんは「携帯電話がつながらない場所でも傍受できる。ソニーのLPWA技術は圧倒的だ」と語り、茅野市の産業振興やシティプロモーションにつながることを期待した。

実証実験に関する問い合わせは、市地域戦略課(電話0266・72・2101)へ。

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