「諏訪尚武館」改修へ 築92年の町道場

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改修が始まった諏訪尚武館で、基礎のかさ上げや柱の補強などを手掛け関係者に説明する山田社長(右)

諏訪市大手2の剣道道場「諏訪尚武館」(土橋道治館長)で、今月から基礎かさ上げや採光窓変更などのリフォーム工事が始まった。1925(大正14)年の建築で、老朽化した建物の修復や落下対応工事。古民家再生を手掛ける同市湖南の山田住建(山田今朝光社長)が、92年の歴史ある道場の雰囲気を損なわないように取り組んでいる。

同道場は、初代館長の範士八段の土橋由衛さんが文武両道を目指す町道場として、私費で建設した。室内は数寄屋風で船底天井を採用し、外観は洋風の意匠で、全国的にも旧状を留めた貴重な建物とされる。玄関周りには地場特産の鉄平石を使用し、温泉の浴室も備え特徴がある。

土橋館長のいとこの館主が亡くなり、5年前に遺族から道場などの土地建物が諏訪市に寄贈された。道場は同市剣道協会が維持管理し、運営は諏訪尚武館道場館生で構成する「先心会」が行っている。

建物は、戦中戦後に隣地への曳き屋したため土台が安定せず、水害による床下浸水、雨水の浸食もあり、床は約20センチ沈下、柱も傾斜していた。木枠でガラスの採光窓は落下の危険もあった。改修は市の了解を得て、先心会会員が費用は工面し、数回に分けて実施していく。

11日までに、床は10トンジャッキ5台を使い水平になり、柱の根接ぎや補強を施した。今後、基礎を作り直し、採光窓は木枠をそのまま使いアクリルに変えて、安全性と共に道場内の雰囲気にも配慮。雨水の配管や一部外壁工事も行う。

これまで古民家約50件を再生した山田社長は「建物と武士道を残すことが大事。貴重な資金を無駄にせず、この先100年使ってもらえるように、誠心誠意、知恵と力を出したい」と話す。

工期は11月末で、この間稽古は市武道館など行う。居合師範で市協会監事の久保川泰臣さんは「正座すると体勢が傾き、居合は足に負担がかかったので、稽古の環境が良くなりありがたい」と感謝し、期待していた。

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