御柱祭下社山出し振り返る 安全、混雑対策で成果

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諏訪大社御柱祭の下社山出し(8~10日、下諏訪町)が終わった。天候が不安定なこの時期としては珍しく3日間にわたって好天が続き、人出は合わせて約46万8000人。曳行路沿いを中心に氏子や観光客でにぎわった。前回の反省を生かし、関係機関や団体が安心安全で楽しい祭りに向けた取り組みをした結果、大きな混乱や事故はなかった。大祭の前半を無事に終えた印象が強い。

諏訪署の警備本部のまとめだと、けが人は前回より4人多い14人。うち重傷は5人(前回比3人増)、病人は14人(同8人増)だった。警備では木落し坂の上や下、両側の階段などに氏子以外を入れず、木落しの際は関係者以外は乗せない方針を重点に臨んだ。伊勢志摩サミットの影響で警察官の動員数が減った分、消防団員を動員。警察官は前回比61人減の延べ640人、消防団員は90人増の延べ495人が出動した。関係機関や団体が暴力排除の決議もして臨み、大きなトラブルはなかった。

交通規制では曳行の遅れに伴い、規制解除時間の午後8時以降も、注連掛付近を片側通行にする臨時措置を取った。同本部は「警察官を適切に配置し、警備に当たれた。里曳きも万全を期して対応する」としている。

前回は木落し坂周辺で激しい混雑が発生し、チケットを持っていても観覧席に入れなかった人が出た。今回はその反省を踏まえ、重点的に進めてきた。混雑の一因となった観覧席の当日券をなくし、全て前売り券とした。さらに木落し坂付近の混雑緩和に向けて坂の周辺3カ所で、木落しの1時間半前から一般観客の流入規制をした。

観覧席については、当日券がないことを再三にわたって事前周知し、チケット購入者専用の送迎バスを走らせた。送迎バスはスムーズに動き、一般観客の流入規制は状況に応じた柔軟な対応で、大きな問題はなかった。町御柱祭実行委員会は「人の流れが整理できた。おおむね対策の成果は出た」と受け止めている。

木落し観覧席のチケット全席前売り有料化や観光客に曳行路への立ち入りを控えてもらうのと連動し、大型スクリーンでライブ映像などを流すパブリックビューイングを、町中心部の4カ所で実施した。3日間とも各会場ほぼ満員で、飲食や物販コーナーを併設したJR下諏訪駅前会場は9、10日の両日、140席の椅子席に加え、ピーク時に600人前後の立ち見が出た。実行委は「予想以上に好評で、祭り会場以外で御柱祭の楽しみを提供できた」と捉えている。

9、10日を中心に曳行に遅れがあった。御柱を曳く氏子の人数が予想を上回り、安全に配慮した慎重な曳行をしたのが主な原因だが、下社三地区連絡会議の土田忠会長は「次回への大きな課題」としている。その影響で木落しの待ち時間が長くなり、観覧席の観客からは「祭りなので時間通りにいかないのは分かるが、状況の説明がほしかった」という声があった。観覧席での待ち時間を使った情報提供は検討の必要がありそう。町御柱祭実行委員会会長の青木悟町長は「今後各部会から出てくるさまざまな総括を今後に生かしていく」と話している。

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