2017年11月16日付

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名古屋市で13日、86歳の母親を同居の60歳の次男が暴行した疑いで逮捕されたとの報道があった。母親は認知症を患い、たびたび家の外を徘徊して保護されていたという。病院に搬送されたが死亡が確認された▼次男は「外出しようとしたので止めたが、言うことを聞かなかった」と供述しているという。母親を蹴ったり平手打ちしたりしたとされる次男をかばうつもりはないが、何ともいえない哀れみを2人に感じてしまう▼厚生労働省の発表によると、65歳以上の認知症患者数は2012年の462万人から25年には700万人に増加することが見込まれている。65歳以上の5人に1人の推計だ。前述と同じような事件が増えかねない。家族ら身近な人の、特に精神的な負担をどう軽くしていくか▼先日聞いた大阪大学大学院歯学研究科の野原幹司准教授の講演は、認知症患者と接する際の心の持ちようの一つを示していた。認知症は病気だと理解していないとストレスになり、病気だと思えばある程度は受容できるとし、「病気だから仕方ないよね│と思うことは結構重要。周りが変わってあげることが大事」と呼び掛けた▼認知症高齢者との向き合い方に限らない人間関係でも、自分が変わる大切さは当てはまるのではないだろうか。相手を変えるのは難しいけれど、それに比べれば少しの努力でできる自分を変えることで良好な関係が築けたらと思う。

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