2017年11月27日付

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正直、誠実、親切、思いやり、家族愛―。2018年度から小学校で、19年度から中学校で正式な教科になる「道徳」の学習指導要領で示す内容項目だ。一見、人が社会で生きていく上で、ごく当たり前に身に付けるべき要素。それを改めて学校の教科として学ぼうという。それほどまでに今の社会には道徳が欠如しているのだろうか▼記憶をたどれば、学校での道徳授業は、主要5科目に比べ時間数は格段に少なく試験もないため、受ける側にとっては授業の中休み的な感覚だったように思う。内容は大切な事柄だったにも関わらずだ。ただ、正直や誠実、礼儀、親切などは家族や周囲の大人たちから自然と吸収していたのも確かだが▼今回「特別の教科」として教科に格上げされた道徳。いじめをはじめ相互理解や寛容、公正、公平などにかかわる問題があまりにも社会現象化したため、必要に迫られての措置なのだろう▼セクハラやパワハラ、クレーマーにモンペアなど今やすっかり耳になじんだ感のある言葉も、もとをただせば道徳の欠如に帰結する。授業を通じて身に付けざるを得ないとの考えも間違いではなかろう▼ただし、道徳の教科化はその特性から、国が重視する特定の価値観を国民に押し付けることになりかねない側面もある。学校で知識を得たからそれでよし―ではなく、家庭や地域などあらゆる場面に道徳があるとの認識が欠かせない。

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