再生の道筋どう描く 上諏訪駅前開発

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民間開発事業に伴う商業棟の建設工事が始まるJR上諏訪駅前。交通対策など課題が横たわっている

JR上諏訪駅前の民間開発事業で建設する商業棟の工事が、旧まるみつ百貨店跡地周辺で始まる。同百貨店閉店から約6年10カ月。諏訪市の玄関口のにぎわい再生の道筋をどう描くか。開所目標の2019年2月まであと1年2カ月。駅周辺商業者からは「開店後の駅前のにぎわい対策を今から考えるべき」との声が上がる。

「市民から『一体何ができるんだ』という声をたくさんいただいた。きょうまで延び延びになったが、ようやく着工の運びになる。市民が期待するような建物が完成すると思う」。

10月に社内役員らの要請を受け、事業主体の民間会社「諏訪駅前開発」の社長に復帰した井口恒雄氏は、12月1日の地鎮祭でこう述べ、安堵感をにじませた。

同社は12年4月の設立当時、5年後の17年の開発完了を見込んだ。だが、権利関係が複雑な旧スワプラザ商業棟内の権利者との交渉に時間を要するなど当初描いたスケジュールからは大きく遅れている。

新商業棟の核店舗としてスーパー「ツルヤ」(小諸市)の出店が決まり、オープン目標は18年11月と具体化したが、それも遅らさざるを得なかった。東京五輪・パラリンピックの関連事業で資材や人手不足が指摘される中、開所時期を遅らせても工期がタイトなことには変わりない。井口社長は「皆さんの協力を得て完成させたい」とする。

市の関与は、15年5月に金子ゆかり氏が市長に就任してから強まった。新商業棟3階の床は市が購入する方針を示している。ツルヤの諏訪地域初出店には住民から期待の声が上がり、開所後は交通量が増えることが見込まれる。交通渋滞対策のほか、駅西口との連動性など課題は数多く、市の役割は重要度を増している。

「まちが冷え切っている。このままでは困る」。旧スワプラザ内から場所を移して店舗を切り盛りする男性は危機感を隠さない。新商業棟は、近隣のショッピングモール「レイクウォーク岡谷」や「イオンモール松本」に比べて規模は見劣りするが、コンパクトさを利点にできないか│とも考える。「にぎわいを長続きさせて、客が客を呼ぶようにしなくては」と指摘する。

地元本町2丁目の河西清美区長(71)は「個々の店だけでは集客は難しい。点が線や面になることで、市全体のにぎわいにつながる」と期待する。上諏訪温泉や諏訪湖といった近くの観光資源なども含め駅周辺の魅力をつくれるか。事業者だけでなく市、住民が一体となった取り組みができるかが問われる。

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