2017年12月5日付

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原村図書館が人口1人当たりの貸出冊数で県内1位になった。昨年度の統計で村民1人が1年間に15・8冊の本を借りたそうだ。2位は富士見町、4位は下諏訪町の各図書館。これだけが公立図書館の評価ではないが、やはり関係者の努力の成果だろう▼10月の全国図書館大会で、文藝春秋の松井清人社長が「図書館で文庫を貸し出すのはやめてほしい」と要請し、話題になった。出版不況の中、収益源である文庫を図書館が積極的に貸し出すと経営への影響が大きくなることが理由らしい▼図書館で本を借りる人が多くなると、本は売れなくなるか。因果関係の証明は難しい。図書館側にも言い分はあるだろうし、特に子どもの読書習慣については、学校図書館を含めて図書館の果たす役割は大きい。一方、出版社が良い本を出してくれなければ図書館は成り立たない▼若いころ、ある書店の主人に「新聞記者なら、こういう本を読まないと」と、かなり”骨太”の本を勧められことがある。読むのに難儀したが、社会の見方を教えてくれる本だった。頼りない若者を育ててやろうと思ってくれたのかもしれない▼筆者の少ない経験でしかないが、書店や図書館などで本にかかわる仕事をする人は「志」のある人が少なくない。良い本を「読んでほしい」「売りたい」という思いを持っている。活字文化という意味で出版社・書店と図書館は共存共栄してほしい。

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