2017年12月16日付

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鳴くよウグイス平安京、いい国つくろう鎌倉幕府―。テストや受験に向け、語呂合わせやカードを使って丸暗記したものだ。数字や単語の組み合わせを頭に入れるのが精一杯で、歴史的な意義や時代の流れはまるで理解しないまま。受験後に記憶は次々と抜け落ちた▼こうした暗記偏重から、考察力を育てる学習にかじを切るための提言だという。高校や大学の教員有志約400人でつくる高大連携歴史教育研究会は、日本史と世界史の教科書で習得すべき重要用語をそれぞれ1600語程度にする案を公表した▼研究会によると、教科書に記載されている歴史用語は現在3400~3800語。細かい用語を問う大学入試の影響で、1950年代から3倍近くに増えている。用語を減らし、考える授業時間の確保を―との訴えもうなずける▼思い切ってカットしたという研究会の言葉通り、日本史の人名に限っても、削るべき用語には上杉謙信、坂本龍馬、吉田松陰のほか、諏訪や上伊那にもなじみ深い武田信玄の名もみられる▼取材などで歴史的背景がある行事や風習などに触れるたびに、歴史の勉強不足、理解不足を痛感する。時代の流れを知り、考察力を高める学習はうらやましくもある。一方で豪傑や策士など、個性的な人物から興味を深めるのも歴史の醍醐味か。研究会は意見を募っており、年度末までに最終案をまとめるそう。妙案に期待したい。

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