2018年01月14日付

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中心市街地や商店街の活性化は必要なのか―。行政などが支援策を打ち出すたびに、こうした住民の声を耳にしてきた。車社会の進展で商業施設や住宅地は郊外へと広がり、まちの玄関口と表現される鉄道駅の利用者も限られてきている。誰のための投資なのかとの疑問だ▼商店街が最もにぎわったのは1970年代とされる。もう半世紀近く前の話だ。駒ケ根青年会議所が昨年開いた勉強会で、武者忠彦・信州大学経法学部准教授は「今の若者にとってのまちは郊外の大型店。商店街は廃れた姿しか知らない」と指摘。「中心市街地にまちは必要か」と投げ掛けた▼経産省や日本商工会議所の資料をみると、少子高齢化を見据えた交通弱者対策や社会の集積化、固定資産税による自治体運営、地域文化・コミュニティ維持などが活性化を目指す理由に挙げられている。生活者の目線からはどの程度共感できるだろうか▼商店街の価値が見直され始めたのか。最近になり新規開業などで空き店舗のシャッターを開ける試みが活発になってきたと感じる。ある商店主は「やはり人は人を求めるということでは。雑多なにぎわいが地域の活力になる」と期待する▼武者准教授は、中心市街地再生には「郊外以上の幸せや暮らしのイメージを用意できるかがかぎ」と話した。空き店舗が動き始めた今こそ「活性化の必要性」を広く共有できるかが問われていると思う。

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