2018年1月21日付

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近頃、食料品の買い出しはため息が漏れる。厳冬期には取れる農作物が限られるし、年末年始の書き入れ時が明けた今は出荷者もさぞお疲れだろう。そう引き算しても今冬は野菜の品数、量ともに少なく、何より高騰ぶりに閉口する▼少人数家庭が増えるにつれ、食品ロスを減らすための切り売りや1個単位での販売が定着した。だが昨今の状況は家庭事情への配慮というより1玉、1本売りでは高すぎるので価格を抑えるための苦肉の策とみえる。普段なら農家が自家消費に回すであろう品質の物も並んでいる▼「盆明けからの異常気象で作物が育たなかった。今が旬のはずのホウレンソウも伸びない。とにかく品物がない」と売り場担当者は悲鳴を上げる。全国的な状況だから対策がない、とも。しおれた野菜がポツポツと並ぶ売り台を眺めて食糧難の時代を想像した▼薄い財布と相談し、買うか否かと迷いつつようやく集めた食材は葉の1枚まで貴重に思える。皮も芯も余さず使おうと調理法に考えを巡らす。食物を大切にする気持ちがまだ甘かったと実感し、手間暇かけて食材を大切に扱った先人の工夫と知恵に思いを致しながら▼日本人は消費食料全体の約3割を捨て、売れ残りや食べ残しなどのロスは世界中の飢餓に苦しむ人への援助量の約2倍にもなるそうだ。刺し身のツマや彩りの添え物も貴重な食物。懐痛む今こそ意識を変える好機だろう。

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