松くい虫被害を見える化 年度ごとの状況図

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県が作成した2013、14年度の上伊那地域の松くい虫被害状況図。現在は被害地域が北上している

県林務部は、深刻な状況が続く松くい虫被害の対策につなげようと、航空レーザー測量のデータと人工衛星画像を活用し、年度ごとの被害状況図を作成している。県全体のアカマツ林の分布と、松枯れ被害地を俯瞰的に把握することができる図面で、直近4カ年分を来年度までにそろえる方針。これらを重ね合わせることで被害拡大の経過や傾向を読み取り、重点対策箇所の選定などに役立ててもらう狙いだ。

拡大経路の予測や被害木の早期発見、効果的な防除対策に向け、最前線で対策を講じる市町村などに提供する。2013、14年度の状況図は既に完成しており、来年度にかけては15、17年度の図化を予定している。

航空レーザー測量は、県内民有林を対象に林務部が14年度までに実施。それに続く森林解析では樹種別の区分けもしており、今回の事業ではアカマツの分布図を用いる。人工衛星画像からは、葉が反射する波長などを基に枯れたアカマツ(枯損木)を抽出。集団的に枯れた部分を赤色で表示していく。

500メートル四方の網目(メッシュ)表示にも置き換えられるようにする考え。区画内の被害程度によって赤や黄に塗りつぶし、監視や防除の必要箇所をより鮮明にする。

県内では上伊那の7市町村を含む51市町村で松くい虫被害が確認され、16年度のアカマツの被害量は全国最多の7万4400立方メートル。標高900メートル以上の高地への広がりも懸念されている。

県森林づくり推進課は「松くい虫被害に関し、これまで県単位の一元的な可視化(見える化)への取り組みはされてこなかった」と説明。予算と人員が限られる中、選択と集中による防除対策の必要性を改めて強調し、「見える化により、次の展開が予測しやすくなる。重点的に対策を講じるべき『要所』も分かってくる」としている。

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