2018年2月16日付

LINEで送る
Pocket

仕事柄、他人の文章を目にする機会が多い。時折、小中学生の作文に「はっ」とし、教えられることがある。今年度の「少年の主張県大会」の作品集をいただき、目を通してみた▼優秀賞を受賞した富士見町の中学1年の女子生徒は、「自分のものさし」ということを考えた。小学6年生のとき姉妹学級で、ある1年の女子と知り合った。いくら話しかけても何も答えてくれなかったそうだ。仲良くなろうと思った女子生徒は困ってしまったのだが、やがて気が付く▼「自分のものさしとその子のものさしは違う」―と。「人には人それぞれの、自分に合った生き方」がある。何も話さない子だから、と拒否してはいけない。1年生の気持ちを一生懸命考えて接してみた。卒業式の日、その子は「いっしょにあそんでくれてありがとう」と手紙をくれたという▼同じく富士見町で以前講演した東洋大学の吉田善一教授がこんなことを言っていた。西郷隆盛や松下幸之助ら、政治経済に影響を与えた賢人たちは、自身の心や行いが正しいかを測る「心のものさし」を常に持っていた。そして揺るがぬ信念とともに、自らが変わる柔軟性を併せ持つ生き方を示した▼お互いのものさしが違うことを受け入れる。相手や時代の変化に合わせて、自分のものさしを少し変えてみる。先が見えない時代を生き抜く知恵は、こうした「自分から変わる勇気」なのかもしれない。

おすすめ情報

PAGE TOP