他人事ではいられない 熊本地震

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大地の揺れはいつまで続くのだろうか。14日夜に最大震度7を観測した「熊本地震」は、発生から10日を過ぎても活発な活動が続いている。激しい揺れで倒壊した住宅やビル、崩落した土砂が道路や橋を破壊し、ふもとにある集落を次々とのみ込んだ。一向に収まる気配のない地震活動は、避難所に身を寄せ合う8万人超の住民を恐怖と不安に陥れ、被災地での捜索活動や復旧作業を妨げている。

熊本地震は従来の直下型とは違い、異例の展開をたどった。震度7を記録した最初の地震の規模はマグニチュード(M)6・5。これまでの経験則などから、その後は徐々に余震活動が小さくなり、収束すると考えられていた。

ところが、28時間後の16日未明に事態が一変する。最初に起きた地震エネルギーの16倍に相当するM7・3の地震が広い範囲で発生した。これを境に、震源域が阿蘇地方、大分県中部や西部へと拡大した。その分だけ地震回数も増え、震度5弱以上の大きな揺れも頻発して起きた。

気象庁は最初の地震が「前震」で、16日未明の地震を「本震」と定義した。だが、一連の活動を余震だけでは到底説明できない。そのいずれもが「本震」であり、別の地震が起きたと考えたほうが自然だ。震源一帯は日奈久・布田川両断層帯が複雑に入り組んでいることで知られる。地震が地震を誘発する形で、大分県にある別府―万年山断層帯にも飛び火した。

地震回数も内陸の直下型としては、過去最多のペースで推移している。23日午後には震度1以上が830回を超えた。うち震度7が2回、5弱以上は17回にも上り、活動が収まる兆候は見えない。

活断層が縦横に走る長野県も他人事ではいられない。県内をほぼ南北に縦断する158キロの糸魚川―静岡構造線断層帯のうち、安曇野市から諏訪市を経由して茅野市に至る中北部はM7・6程度の地震を引き起こすとされ、30年以内の発生確率は13~30%と高い。 

私たちの足元のどこかで大きな揺れが発生すると連鎖的に地震が起こり、今回の熊本地震と同じような経過をたどる可能性もある。

4月1日には三重県沖でM6・5の地震が起きた。震源域は南海トラフ巨大地震で想定した範囲内にあり、同じメカニズムで起きたという。こちらも警戒が必要だ。

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