2018年3月2日付

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分からないことがあると、すぐスマートフォンやパソコンで調べる。こう書くと、良いことをしているようにみえる。だが時々「これでいいのだろうか」と自問する。自分の頭で考えることをしていないからだ▼現代演劇には難解なイメージがある。何となく敬遠してしまう向きも多いだろう。まつもと市民芸術館の芸術監督を務める俳優で演出家の串田和美さんが、最近こんなことを言っている。「難しかったり、わけが分からないと思ったりしても、劇場にはそういうものも大事です」(同芸術館広報誌)▼「地方の劇場だから分かりやすく」とか、子どもにも理解できるもの、といった考えには与しない。子どもだって、「ずっと知的に舞台と向き合い、どんな演目も、自分なりに受け止めて、楽しそうに見ています」と言う▼昨年12月に諏訪清陵高校で行われた講演会でも、サイエンスナビゲーターの桜井進さんが数学の世界に触れ、「分からないという気持ちを大切にしてほしい」と呼び掛けた。「意味が分からないって最高に面白い。分かってしまったら、つまらなくなる」とさえ言っていた▼人は自分が理解できないことに出くわすと不安になる、と聞いたことがある。そこでネットの世界に頼ってしまう。分からないことに向き合い、面白がるような境地は難しい。それができれば、自分の違った一面を成長させることができるのかもしれない。

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