2016年04月30日付

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桜の便りがちらほら聞こえ始めたかと思っていたら、にわかにどこもかしこも満開となり、瞬く間に駆け抜けて行ったような今年の春。聞けば草花の進度は昨年より1週間~10日早いという。冬の間に貯めていた命のエネルギーが一気に地上に噴出したようで、この時期は特に、自然の偉大さを感じさせてくれる▼大自然がいつも通りに生命の輝きを放ち、動植物が互いにその恩恵を享受し合っているのとは裏腹に、人間社会では相変わらず殺人や強盗、放火など生命を軽んじる事案が頻発している▼警察庁発表の今年1~3月の重要犯罪認知件数は計2512件。うち殺人は237件、強盗595件、放火247件、強姦245件、略取誘拐・人身売買47件、強制わいせつ1141件。過去5年間の傾向は、殺人が昨年より10件増加。他はいずれも年々、減少している▼あきれるのは殺人の動機だ。交際を断られた腹いせや「人を殺してみたかった」など身勝手この上ない。介護疲れなど同情を誘うケースも確かにある。だが与えられた命を本人の意思とは関係なく奪い取る理由はどこにもない。命を軽く見る風潮が漂っている▼世間に目を移せば看護師や介護士、保育士、農林漁業など、命を直接預かったり支えたりする職業の社会的地位や待遇、役割も軽く見られているようでならない。いくら文明が進んでも、命を後回しにする国に輝く将来は望めない。

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