長野県を第九で一つに 柳澤寿男さん呼び掛け

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長野県を「第九」で一つにつなぐプロジェクトに向け、合唱団員募集のため王滝村を訪れた柳澤寿男さん

下諏訪町出身の指揮者柳澤寿男さんが推進している「ワールド・ピース・コンサート」で、長野県を「第九」で一つにつなぐプロジェクトが進んでいる。9月23日に岡谷市カノラホールで開く、柳澤さん率いるバルカン室内管弦楽団の演奏会で、長野県77全市町村民から成る合唱団が「第九」を歌うことを目指している。柳澤さんは17、18の両日、まだ団員が見つかっていない木曽地域を訪問し、参加を呼び掛けた。

企画では、核となる合唱団員90人を諏訪地域で組織し、これに77全市町村から2人ずつ参加してもらう。参加資格は在住か出身者。長野県合唱連盟を通して北信、東信、中信、南信で呼び掛けが始まっており、4月初旬までに参加者がない町村は、原村、立科町、川上村、麻績村、生坂村、山形村、朝日村、筑北村、木祖村、上松町、大桑村、南木曽町、王滝村、大鹿村、泰阜村、根羽村、売木村、天龍村の18地区になった。

木曽地域は長野県合唱連盟に加盟していないため手づるがなく、直接お願いしようと、今回は上松町、王滝村、木曽町、南木曽町、大桑村の学校や合唱団の代表者を訪問した。

どこの学校にも吹奏楽部はあるが合唱部がない。大人の合唱団でも「外国語の歌は歌ったことがない」など、ドイツ語で「第九」を歌うというハードルの高さに難色を示し、「塩尻から北は未知の世界」という話まで出た。

柳澤さんは「歌ったことがなくても、歌える部分だけでもいい。現在は通信技術が発達し便利になっているが、大切なのは『会う』ということ。旧ユーゴの人々もそれで苦難を乗り越えた。今回は同じ空間に77市町村の人々が集うことに意味がある。人と会う大切さが民族の共存共栄につながる」と、体験を交え話し掛けた。

一番難しいと予想されたのが、人口776人(4月1日現在)の王滝村。王滝小中学校では校長、教頭のほか、木下大輔王滝教育委員会生涯学習係長が対応した。「第九未経験でもよければ」と話が進み、偶然村内で音楽大学を卒業した女性に出会ったことから好転の兆しを見せ始め、柳澤さんは「直接訪問して良かった」と胸をなで下ろした。

初めから協力的だった南木曽中学校の音楽教諭、畑昌子さんは、カノラで「第九」を歌ったこともあり、募集にも積極的。他地域でも柳澤さんの話に熱心に耳を傾け始める姿が見られた。

「ワールド・ピース・コンサート」プロジェクトは2013年新宿での「第九」フラッシュ・モブから始まり、2020年『「第九」で世界を一つに』を目指す。「今回はそのプレ・イベントとして重要な位置付け」と柳澤さんは意気込んでいる。

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