釜無ホテイアツモリソウ初公開 富士見の実験園

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富士見町内で2006年から保護、再生の取り組みを続けている希少植物「釜無ホテイアツモリソウ」の露地での生育が順調に進み、富士見パノラマスキー場内にある実験栽培園(約42アール)を12日から一般に初公開することになった。県、国が絶滅の恐れが最も高い「絶滅危惧IA類」に指定されるホテイアツモリソウの中でも入笠山の固有種。これまで育成活動は盗掘を避けるため“極秘”とされ、わずかなメンバーのみで進めてきた。活動13年目にして、目標の一つに掲げた園の公開に漕ぎつけ、メンバーらは喜びをかみしめている。

「釜無│」はかつて入笠山一帯に自生したが乱獲で激減し、保護する以前の自生株はわずか4株で、絶滅の危機にひんしていた。町は町内の有識者、県希少野生動植物監視員、入笠ボランティア協会、富士見高校、食品メーカー・ニチレイ(本社東京都)の4団体と個人でつくる再生会議を設立。自生地の保護とともに無菌培養による増殖に挑んだ。

自然界での成育率は「種5万粒に1株」ともいわれ、開花に6~7年かかる。07年にニチレイが、地元愛好者の元にあった自生種の種からフラスコ内での無菌培養に成功し、再生会議と富士見高などが自然環境下での育苗に取り組んできた。

発芽には成功したものの生育は困難を極め、7年後の苗数は当初の3分の1以下に。それらを大切に育て、14年春、約1万5000株のうちの1本が開花。これ機に富士見パノラマスキー場内に栽培実験園を作り、3年かけて180株を植えた。植栽作業はニチレイが社員研修として協力した。今年は全株の3分の一ほどが開花の見通しとなり、公開に踏み切った。見頃は5月下旬から6月上旬。

再生会議の中山洋会長は「目標の一つにようやくたどり着くことが出来た。行政、住民、企業が一丸となって取り組んだ成果。手探りの時代から一歩前進し、活動に張り合いが出た」と話し、平林啓作事務局長も「迷い、悩みながらようやくここまで来た」と安どの表情。「一般の人が育てられる技術管理を確立して希少価値を下げ、乱獲を防ぐ最終目標まで地道に取り組む」と話している。

初日は午前10時半から関係者が集まってセレモニーを行い、午後3時まで開園。翌日以降は午前9時から公開する。入園料は町民は無料、町外者は1人1000円。問い合わせは富士見パノラマリゾート(電話0266・62・5666)へ。

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