小尾権三郎特別展 八ケ岳総合博物館

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甲斐駒ケ岳を開山した小尾権三郎の遺品などを展示している八ケ岳総合博物館の特別展

茅野市上古田生まれで、江戸時代に甲斐駒ケ岳(南アルプス駒ケ岳)を開山した行者、小尾権三郎(1796~1819年)の遺品などを紹介した特別展「開山 小尾権三郎」が茅野市八ケ岳総合博物館で開かれている。開山から3年後、24歳の若さで没した権三郎は、行者名を「威力不動尊」とも称し、没後は地元に「威力不動堂」が建設された。特別展ではその短い生涯をたどりながら、関わった人たちや現在に伝わる信仰にも着目する。7月1日まで。

権三郎が甲斐駒ケ岳を開山したのは1816年6月。今の山梨県北杜市白州町にある「横手駒ケ岳神社」から弟子8人とともに登り、「黒戸尾根ルート」を経て登頂したとされる。開山前から駒ケ岳の入山を取り締まっていた白州町の山田孫四郎宅をたびたび訪問したとみられ、権三郎の父、小尾今右衛門が権三郎の遺品を山田家に贈っている。

展示品の文書「譲状之事」(1816年)には、この遺品が「太」「袈裟」など、権三郎が身に付けていた9品で、死去したときは山田家に遺品を贈るように―とした権三郎の遺言だったことが記されている。遺品の脇差ほどの長さの太刀や、仏教の法具なども並べられている。

上古田区には威力不動堂に由来する宝物が保管されており、このうち権三郎自筆の掛け軸5点を展示した。1929年に威力不動堂が再建されたとき、上古田区全員が信徒になり「駒ケ岳開山威力不動尊総元講社」が結成されたことも紹介。資料や写真で地元講の様子を伝えている。

同館の柳川英司学芸員(49)は「自筆の掛け軸も再認識された」とした上で「甲斐駒ケ岳は見えるが、遠い山で身近に感じにくい。だが開山した小尾権三郎が茅野市にいたことを知ってもらえれば」と話す。

特別展は権三郎没後200年、茅野市制60周年、同博物館開館30周年を記念して開催。12日には関連行事の「史跡めぐり 豊平古田地区を歩く」を開く。6月23日には同市出身の僧侶、柳澤眞悟さんの講演会「修験道の修行について」も行う。問い合わせは総合博物館(電話0266・73・0300)へ。

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