2018年05月12日付

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先月、地獄谷野猿公苑(山ノ内町)の猿が、冬の温泉入浴をストレス解消に役立てている、という京都大の研究成果がニュースになった。温泉に入るという猿のユニークな行動は、地獄谷だけで見られるそうだ▼県内の理科の先生たちが調べたところだと、昭和30年代に猿が地獄谷に集まるようになり、最初に湯に入ったのは子猿だった(「長野の理科ものがたり」)。最初は手で湯を跳ねていたが、そのうち腕を浸し、足を入れ…といった具合だ。子猿が入るようになると、翌年には母猿も。大人の雄猿はなかなか入ろうとしなかったらしい▼経験や知識にとらわれない若い世代が未知の分野を切り開く、というのは人間も同じかもしれない。若い人には前に進むエネルギーやパワーがある。18歳選挙権や成人年齢の18歳引き下げは、若者の積極的な社会参加への期待の表れだ▼しかし、国会前などでデモを行った学生団体「シールズ」の奥田愛基さんは、18歳選挙権導入の際、こんな心配をしていた。選挙権引き下げ自体は評価しつつ、「今の18歳はかわいそう。権利が拡充したというより、『若者がもっと担え』と言われている」ようだと▼この先人口減少が進む中で、課題解決に若者の力を期待するのはいいが、問題の「押し付け」になっては気の毒だ。高齢者も含め、各世代ができる範囲で役割を果たすことが、社会の維持につながるのかもしれない。

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