2016年05月05日付

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持参する昼食を自分でつくる「弁当男子」になってからスーパーでの食材選びが日常になった。定期的に通っていると、並ぶ野菜や果物、魚介類から、季節がくっきり分かるようになる。いわゆる食べ物の「旬」である▼新しい芽吹きが鮮やかなこの時期。目につき始めたのが、キュウリやナス、トマトといった夏野菜だ。本格的な出荷期からすれば走りだろうが、各地の生産者から出荷されたつややかな野菜が、「夏」という季節がまた一歩近づいたことを教えてくれる▼袋の表示を見ると、トマトの産地は愛知、福島といった所が目立ち、熊本産も売り場の一角を占める。産地を読み進めば、熊本県八代市などの表示。おそらく、今回の地震で自宅や生産施設が被害を受けながら、何とか出荷したトマトもあるのだろう▼熊本は全国屈指の農業県だ。2014年の農業産出額は3283億円で、都道府県別の6位。トマトやスイカの生産が全国トップのほか、デコポンや夏ミカンなどの果物類にも特産品がそろう。温暖で豊かな土地を使い、おいしい農産物を育てる地域である▼買い物という行為は、自分がほしい品を手に入れる側面のほか、応援したい生産者を支えるという意味を持つ。被災地を支援する気持ちはあっても、ボランティア活動で現地を訪ねるのは、ハードルが高い。熊本県の農産物を買うことで被災者を応援する考え方があっていい。

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