2018年06月04日付

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虚弱などを意味する英語の「frailty(フレイルティー)」。転じて、加齢に伴い筋力などの運動機能や日常の活動量、認知機能などが低下した状態を「フレイル」と呼ぶ。日本老年医学会が提唱している▼体重が減った、疲れやすい、歩く速度が遅くなった―。これらは診断の基準になるという。多くの人はこのフレイルを経て要介護状態に進むと考えられているため、要介護予備群として注目されるようになった▼その予防には適切な運動と食事に加え、社会参加が重要とされる。社会参加が減ると、活動量の低下はもちろん、健康維持への意欲が減退するためだ。閉じこもらないことがフレイルの予防にもつながる▼ところが、こんな事故が起きると、活動的な高齢者のブレーキにならないか心配になる。神奈川県茅ケ崎市で90歳の女が起こした事故である。横断歩道付近にいた4人をはねて死傷させた。「赤信号と分かっていたが、歩行者がいないのでいけると思った」という。ちょっと理解し難い話である▼無論、事故を起こすのは高齢者ばかりではない。だが、どうしても年齢に目が行ってしまう。免許に年齢制限を設けるべきだという意見も散見される。加齢には個人差があり、一律の規制は難しいだろう。高齢化が進む中で、家族、地域、社会全体で考えていかなければならない問題である。他人事ではない。いつか行く道なのだから。

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