教育者澤柳政太郎と長田新の業績 冊子で紹介

LINEで送る
Pocket

牛山部長(左)に冊子を手渡す語り継ぐ会の関係者

茅野市の市民団体「ふるさと文化を語り継ぐ会」は、日本の近代教育と平和教育の礎を築いた長野県出身の教育者、澤柳政太郎(1865~1927年)と長田新(1887~1961年)を紹介する冊子「信州が生んだ2人の教育者 澤柳政太郎と長田新」を作った。28日、1700部を長田の出身地である茅野市教育委員会に寄贈。市内の中学生全員に配布する。

冊子によると、澤柳は松本市出身。東京帝大(現東京大)卒業後に文部省に入り、六・三制や無償制といった現在の義務教育制度の基礎を築いた。東北帝大(現東北大)総長時代には国立大で初めて女子の入学を認め、理想的な小学校教育を目指して成城小学校を設立した。

長田は茅野市下古田出身。諏訪中(現諏訪清陵高)、広島高等師範学校(現広島大)などを経て、ペスタロッチー教育の普及実践に取り組んだが、広島市内で被爆。被災児童の手記をまとめた「原爆の子」(岩波書店)を出版し、子どもの幸せを願い、平和教育運動に生涯をささげた。

冊子はA5判32ページ。生家跡に年譜看板を設置するなど長田の顕彰に取り組む同会が、澤柳の存在と業績を知り、2人の教育者を広く知ってもらおうと、4000部作った。長田に関する著書「『原爆の子』の父長田新」がある同会会員で元高校教師の川島弘さん(66)=辰野町=が1年かけて編さんした。

冊子では、近代教育に大きな足跡を残した2人の生い立ちや学生時代、教育者としての業績を平易な文章と年譜で紹介。長田が澤柳の研究秘書を務めるなど2人が師弟関係にあったことにも触れた。非売品で、諏訪地方の中学校教諭や茅野市内の高校教諭、松本市旧市街の中学生にも配布する予定という。

冊子の贈呈式は茅野市役所であり、同会の朝倉清会長(75)=茅野市北山=と、会員で諏訪ユネスコ協会の矢崎靖雄会長(75)=同市塚原=、川島さんの3人が出席し、市教委こども部の牛山津人志部長に手渡した。3人は「子どもの幸せと世界平和を志す人が出てきてもらえたら」などと願っていた。

おすすめ情報

PAGE TOP