2018年07月31日付

LINEで送る
Pocket

「そこのお客さん、こっちにおいで」。富士見駅前に呼び込みの声が響く。観光客らをもてなす壮年世代の店主たち。勢いにつられて会場に引き込まれる▼長年、商店街のにぎわいを作ってきた経験からイベントの盛り上げやお客のもてなし方を熟知している。取り掛かりに理屈はなく人脈の広さがものを言う。いざ動きだすとアイデアが湧き出し、周囲を巻き込んで形を広げていく。これを「実力」と呼ぶのだろう。各地で50~70代が元気なパワーを放っている▼企業では「モーレツ社員」の言葉が生まれ、個店では電車の始発から最終までが営業時間―という働きづめの親の背にならった世代だ。自営なら今でも12時間労働は当たり前という人は多い。仕事をこなしつつ地域の盛り上げに率先し、趣味に夜の一献まで元気は衰えない▼国は今、働き方改革でかつての「モーレツ」さを敬遠するが、衰退する地方で踏ん張り、支えているのはかの時代を生き抜いた人たちの力。行動の根底にいつも「地域皆のために」との思いがあるのもこの世代の特徴だろう▼その姿に学べば、大事なのは労働時間の長短より限られた時間を何のためにどう使うか、という気持ちの置きどころではないか。今後、人口減でさらに地域の活力低下が懸念される次代を担うのは「ゆとり世代」。仕事の時短で得たゆとりの時間をどう生かすのか。熱き先輩に見習うことは多い。

おすすめ情報

PAGE TOP