雌1羽が定着 中ア駒ケ岳でライチョウ調査

LINEで送る
Pocket

環境省と県は7日、先月20日に国特別天然記念物のニホンライチョウが目撃された中央アルプス駒ケ岳(2956メートル)で現地調査をした。駒ケ岳直下のハイマツ帯で昨年産んだ卵や羽などを発見し、雌1羽の定着を確認した。今後も調査を続け、卵などの遺伝子を分析して雌の出生地を特定し、同一地域にすむ雄を放鳥する繁殖保護活動が可能か否かなどを検討する。

調査にはライチョウ研究の専門家で信州大学名誉教授の中村浩志さん(71)が同行。目撃現場周辺を調べたところ無精卵2個、卵の殻2個分、巣、羽、フンのほか、成鳥が体に付いた寄生虫を取るための「砂あび場」を発見した。

中村さんによると、雌は雄がいなくても毎年産卵し、抱卵後22日間以上経過した卵を放棄する習性がある。また、近親交配を避けるため、雄は生まれた場所に留まるが、雌は他の山岳地帯へ飛び立つ習性があるという。

中村さんは「現場を見ると生息するのは雌1羽。県内でライチョウが生息する御嶽山や南アルプスから飛来し、定着した可能性が高い」とし、「既存の研究で成鳥は約20キロメートルの飛行が確認されているが御嶽山や南アから駒ケ岳へ飛んで来たとすれば、日本に生息するライチョウの飛行距離最長記録になる」と話した。

今回採集した卵などは国立科学博物館(東京都)で遺伝子を解析する。中村さんは「中央アルプスは登山者の増加と共にライチョウを捕食する動物が増え、1969年以降に個体が絶滅したとされるが、絶滅原因をもう一度分析するなどして対策を考えた上で、現在、中アに生息する雌鳥の元の生息地から雄を運び、駒ケ岳付近で繁殖できるようにしてあげたい。繁殖できる良好な環境は十分にある」と述べた。

県環境部自然保護課は「ライチョウを目撃したら追い掛けずに写真に撮り、日時、場所などの情報を寄せてほしい」と呼び掛け問い合わせは同課(電話026・235・7178)へ。

おすすめ情報

PAGE TOP