満州開拓の歴史語り継ぐ 引き揚げ者が集い

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満州開拓当時の映像を懐かしそうに見る引き揚げ者ら

戦前から戦中にかけて旧満州(中国東北部)に渡った富士見町の富士見分村開拓団の引き揚げ者でつくる「拓友会」は21日、「引き揚げ72周年の集い」を同町南原山集落センターで開いた。故郷の土を踏むことなく現地で亡くなった団員の冥福を祈り、当時を振り返り、悲劇が再び起こらないよう語り継ぐ思いを新たにした。

同開拓団は旧富士見村が組織。満州開拓を進める国策に沿い、1939(昭和14)年から100世帯以上が浜江省木蘭県王家屯に入植。終戦から1年2カ月を経て故郷に戻ったが、敗戦後の暴徒の襲撃や引き揚げ最中の感染症や栄養失調などで亡くなった人もいるという。

集いには、引き揚げ者ら約20人が参加。帰国後、南原山に建立した満州開拓殉難者供養塔と亡くなった子どもたちを供養する子すがり地蔵で慰霊祭を開いた。集いでは開拓団当時の写真や映像を見て当時を懐かしんだ。戦争体験を語り継ぐ活動をしている長野市出身のシンガーソングライター清水まなぶさんの歌も聞いて懇談した。

10歳で家族と満州に渡った日野吉美さん(86)=同町大平=は「引き揚げ途中は食べ物もなく歩き続け、つらかった」と振り返る。拓友会の会長、窪田作栄さん(81)=東京都=は「戦争はさまざまな悲劇を生んだ。二度と繰り返されないよう歴史の事実を後世に伝えていきたい」と話していた。

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