諏訪地方唯一の養蚕農家牛山さん 蚕糸有功賞

LINEで送る
Pocket

柳平市長に受賞を報告する牛山仁志さん(中)、金一さん(左)

1948(昭和23)年から70年にわたって養蚕に取り組み、諏訪地方唯一の養蚕農家として今も働き続ける牛山仁志さん(93)=茅野市金沢木舟=が、一般財団法人「大日本蚕糸会」の蚕糸有功賞を受賞した。7日、4代目の長男金一さん(67)とともに市役所を訪れ、柳平千代一市長に受賞を報告し、「お蚕って私の子どものような気がしてね。いまだに続けています」と笑顔で語った。

牛山さんは原村払沢出身。1942(昭和17)年に県立岡谷繭検定所に入社。繭の技能者として46(同21)年に下諏訪の昭栄製糸会社に入り、女子工員を指導する「教婦」を務めた。48年に養蚕農家の故牛山静一さんと結婚して就農。現在は家業を継いだ金一さんを助け、カイコの桑の葉を与える作業に励んでいる。

牛山さんは春、夏、晩秋の年3回、養蚕を行い、一度に10万匹以上のカイコを飼う。脱皮を繰り返し体重が1万倍以上になるカイコの盛んな食欲に応えるため、新鮮な桑の葉を与え続けるのが養蚕農家の大切な仕事。かつては重労働だったが、夫静一さんの代から機械化を進め、省力化を図ってきた。

生繭の出荷量は年450キロ。呉服店「染と織やまだ」(諏訪市)や松澤製糸所(下諏訪町)の協力を得て、諏訪産の繭から取った糸を使う純国産着物ブランド「諏訪の絹」などとして販売される。また地元の園児を受け入れ、カイコの飼育法を伝えている。表彰式は11月20日、東京の帝国ホテルで行われた。

茅野市史によると、製糸業が隆盛した1917(大正6年)には市内の養蚕農家が3976戸に達し、全農家の95%を占めた。牛山さんは「養蚕農家が一軒きりになって寂しいが、私の宿命だと思う。大変だと人は言うが、機械だから苦労はない。息子が後を継いでくれてよかった。ちょっとでも手伝えたらと思っています」と話していた。

おすすめ情報

PAGE TOP