堺屋太一さんの訃報 諏訪地方から悼む声

LINEで送る
Pocket

美術館「美術愛住館」のオープンを祝う堺屋太一さん(左から2人目)=2018年3月16日

作家で元経済企画庁長官の堺屋太一さんの訃報が伝わった10日、諏訪地方で関係があった人たちにもショックが広がった。堺屋さんとの思い出を語り、突然の死を悼み冥福を祈った。

2002年から諏訪市が主催し、芸術文化ルネッサンス市民の会が共催して同市美術館で開いた、現代洋画家10人による「世界展」、世界展の作家10人の作品を一挙に公開した12年の「現代洋画家10人展」は、堺屋さんが同美術館を高く評価したことで始まった。

「世界展」は、当時NHK諏訪通信部記者だった故増井誠さんが、「諏訪の芸術文化の発展になれば」と、親交のあった堺屋さんと、妻で洋画家の池口史子(ちかこ)さんに協力を依頼。堺屋さんはレトロな美術館を高く評価し、第1回「池口史子の世界展」が実現。以来10年にわたり、池口さんらの支援で中央画壇で活躍する現代洋画家の作品を紹介した。

堺屋さんは同展をきっかけに何回か諏訪を訪れ、講演会も2回開催。12年の時は「新しい維新―今、地方の時代」と題し、歴史から現代の日本を読み解き、地方分権の推進について講演、500人余が聞き入った。

昨年3月には堺屋さん、池口さんの長年の居所で仕事場でもあった東京都新宿区愛住町(あいずみちょう)の建物を、美術館「美術愛住館」としてオープン。1970年大阪万博の総合プロデューサーを務めた堺屋さんは、本紙取材に対し、「今後は万博にちなむ企画展も展開したい」と話していた。

堺屋さんとは毎年出会いがあるという、同市民の会元実行委員長の河西滋子さんは、「昨年12月の愛住館企画展開幕でお会いしたばかり」と驚いている。「堺屋さんのおかげで、世界展の作家の方々も市立美術館での開催を誇りに思っていただいた」と感謝。「8月15日の花火大会や手料理に感嘆され、講演会もこちらの要望を聞き入れてくださった。いつお会いしてもご夫妻仲良く、知的な紳士でした」と悼んだ。

同市民の会元副会長の小松郁俊同市医師会長は、「美術館の景観様式の価値を見いだし、世界で活躍する画家の文化の花扉を開かれた。講演会は「地方の時代」をテーマに時代に即応した内容で、市民として大きなエールをいただいた」と惜しんだ。

おすすめ情報

PAGE TOP