考想・諏訪湖 4、高島小学校6年1部

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9日に開いた環境ワークショップで来場者に学習の成果を伝える児童

4年生の時、下水処理を行う県諏訪湖流域下水道豊田終末処理場「クリーンレイク諏訪」(諏訪市豊田)を見学した谷本愛さんの頭に素朴な疑問が浮かんだ。「きれいになった水を諏訪湖に流しているのにどうして諏訪湖はきれいにならないのだろう?」。

諏訪市高島小学校は「白紙単元」と呼ばれる学習内容を教師と児童が話し合って決め、実施する独自のカリキュラムを展開しており、6年1部21人は5年生の時から2年間、諏訪湖をテーマに学習してきた。5年の白紙単元で学習テーマを決める際、竹野入将太君が「古里にかかわることをやりたい」と発言。さまざまなキーワードが出されたが、話し合いの結果、「諏訪湖」に決まった。

「まずは諏訪湖について知ろう」と県諏訪地域振興局に相談した。講師として招いた同局環境課の田邊皇子さんは授業の中で「諏訪湖は泳げるくらいきれいなんです」と説明した。「え?そうなの?」。諏訪湖に対する感覚との違いに全員が驚いた。田邊さんは「諏訪湖だけでなく、流入河川など湖の周りにも目を向けて」と呼び掛けた。

「白紙単元」は疑問解決に向けて自らが考え、行動する授業。児童たちは改めて諏訪湖を自分の目で確かめようと足を運んだ。清掃活動にも取り組んだ。 湖岸には空きペットボトルなどのごみがたくさんあった。藤井直太朗君は「やっぱりきれいじゃないな」と思った。原優花さんは「諏訪湖に直接捨てられたごみばかりではなく、上流から流れ込むごみも多い」と感じた。湖の周囲にも目を向けた。諏訪湖に向かう途中、角間川支流など5カ所の水路も調べたが、やはりごみがあった。湖、水路の水質も調べ続けた。

小学校生活最後となる6年生の「白紙単元」もテーマは諏訪湖。知れば知るほど知りたいことが増えたからだ。限られた時間を有効活用しようと4チームに分かれてさらに調査を進めた。諏訪湖清掃を行い、諏訪湖の課題を地域に伝える「PR清掃」、炭による水の浄化の可能性を探る「炭」、多様な生物がすめる環境を考える「生き物」、森づくりから諏訪湖の改善を目指す「森再生循環」。各チームは現場に足を運び、調査を重ね、識者を招いて話を聞き、学習を深めた。

1月16日、移動知事室で同校を訪れた阿部守一知事に学習の成果と諏訪湖への思いを伝えた。この中で伊東龍神君は「諏訪湖のごみの問題に地域の目がもっと向くとうれしい」と語り、活動の成果をまとめたパンフレットを通じて思いを広めたいと求めた。阿部知事は「完成したら県庁や諏訪地域振興局に置く」と約束した。

パンフレットにはこれまでの学習の成果を詰め込んだ。伝えたいことはたくさんあるが、紙面は限られている。何を伝えるべきか。何を削るべきか。話し合いを重ねてようやく完成した2年間の集大成。編集を担当した原さんは「まずは手に取ってくれた人が諏訪湖を想い、諏訪湖に親しんでほしい」と願う。

「どうして諏訪湖はきれいにならないの?」。4年生の時に感じた疑問に対し、6年生となった谷本さんは「やっぱり見た目は大事。水質が良くなってきてもごみがあると、汚いイメージになる。でも実際に諏訪湖に来てみると、きれいになっていることも分かる。皆さんにも諏訪湖に足を運んでほしい」と語った。

同校ではパンフレットの設置、配布に協力してもらえる企業、団体を募集している。問い合わせは同校6年1部担任の小川教諭(電話0266・52・0101)へ。

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