伊那市産のソバ 優れた食味証明

LINEで送る
Pocket

2018年伊那市産・市外有名産地のソバの食味と香り

伊那市産のソバは、全国有名産地のソバと同等か、それ以上の食味と香りを持つことが、信州大学農学部(南箕輪村)の井上直人教授=作物学=が行った成分分析調査で分かった。同市長谷地区でかつて作られ、関係者が復活を目指している入野谷在来種の香りは群を抜き、食味にも優れていることが判明。品質の高さが科学的に裏付けられたことで、伊那市産ソバのブランド化や在来種復活プロジェクトにも弾みが付きそうだ。

同市長谷中尾のそば店「杣蕎麦」で15日夜、関係者による入野谷在来種ソバの試食会があり、井上教授が調査結果を明らかにした。

市の委託を受けて2018年産ソバで実施。市内全域で栽培された「信濃1号」などの実(試料数65)と入野谷在来種、ブランド化されている市外産の実(同15)の成分を分析した。食味はソバで重視されるタンパク質(CP)含量で、香りは脂質(EE)の含量で評価した=図参照。

井上教授によると、図の右上に位置するほど良質なソバと言え、市内産は総じて「いい結果だった」と説明。入野谷在来種は「味が濃く香りが豊か」とされるが、数値で証明できたとした。市外産で右上に位置した二つはともに松本市奈川産だったという。

入野谷在来種の「復活夢プロジェクト」では昨年、長谷の2カ所25アールで栽培した。4年目となる来年度は約80アールのほ場を新設。収量を確保して市内そば店での提供を目指す方針だ。井上教授の調査で得た結果は今後のソバ生産に生かし、市内産全体のさらなる高品質化につなげる。

試食会は入野谷そば振興会が主催し、長谷地区や市の関係者を含む25人が参加。杣蕎麦店主の小松正樹さん=同振興会長=が打った入野谷在来種のそばと「信濃1号」の双方を味わって比較した。「在来種は甘みがある。喉ごしもいい」との評価が聞かれた一方、香りはゆでると減ってしまうため、「香りを閉じ込める工夫が必要になる」との意見が出ていた。

調査結果について、小松さんは「食味と香りの見える化は大きい。お客様にも有益な情報になる」。「信州そば発祥の地 伊那そば振興会」の飯島進会長は「入野谷在来種の復活は地域振興につながるものと確信している。栽培地を増やし、おいしいそばをこの地域に広めたい」と意欲を新たにした。

おすすめ情報

PAGE TOP