2019年03月27日付

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統一地方選が間近に迫り、各地で立候補予定者の動きが活発だ。各氏が示す公約や抱負からは地域が抱える課題への強い問題意識と、地域を良くしたいとの熱意が伝わってくる▼一方で住民の、選挙への関心の高さはどうだろう。残念なことに「誰が務めても同じ」なんて声がしばし聞かれる。政策によって暮らしの中での不安や大変さが減ったとか、仕事が上向いたといった効果を実感しにくいことも背景にあるようだ。たとえばこんな声がある▼近年、国、地方ともITの利活用を重視し、移住にも導こうと公費を投じて力を注ぐが、地方にはいまだ携帯電話はおろかラジオやテレビの電波受信さえ不安定な地域がある。IT技術の恩恵どころか、現代なら当たり前とも思える環境さえ整っておらず「長年暮らす住民の不便は相変わらず。格差を感じる」と若い世代▼福祉医療の分野でも、独居のお年寄りが認知症を患い、食うや食わずの暮らしを見かねた近所の人が食事を届けて何とかしのいでいるとの話や、重い病の家族を長期間受け入れてくれる病院が近くになく、県外まで片道数時間かけての見舞いに疲れ切っている―と悲鳴も聞く▼地域に新風を吹き込む事業、政策提言は必要。だが、住民の多くは日常の中にある、ささやかだけれど切実な願いを丁寧にすくい上げて政の土俵で代弁し、実現してくれる為政を求めているのではないだろうか。

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