2019年04月02日付

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新しい元号が「令和」に決まった。テレビに映し出された墨書が目を引く。31年にわたって使われてきた「平成」に替わって、5月からは「令和」の文字とともに歩むことになる。時代がまた一つ刻まれる▼民間が一般から募った事前予想などで、「安」や「永」「久」が多かったし、なじみのある漢字が使われるのでは、という思いがあった。なので「令」にはちょっと驚いた。「昭和」で使われた「和」の再登場も含め、意外という思いが先行する▼最近は西暦の使用が多くなっている。〇〇〇〇年と数字を四つ並べれば、分かりやすいし、年数の差も判然とし、機能的である。けれど、気骨ある人物の「明治人」や大正時代の雰囲気を示す「大正ロマン」といった時代を象徴する表現も和暦あってこそ。心に訴える力がある元号には、人の思いが宿る▼振り返れば、「内外にも天地にも平和が達成される」という意味を込めた平成の時代。平均寿命が着実に伸び、IT革命が進むなど一定の満足感を得る人が多かった。一方で阪神淡路大震災や東日本大震災などの災害が相次いだ。願いは十分届かなかったとも言える▼新元号には「一人ひとりが希望を持ち、それぞれの花を大きく咲かせる」という願いを託しているという。手元の辞書を引けば、「令」には「よいこと」、「和」には「穏やかなこと」とある。言葉の持つ意味通りの時代になると思いたい。

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