2019年04月13日付

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1973年の米映画「スティング」。30年代のシカゴを舞台に、詐欺師コンビが仲間を集めて大掛かりないかさまを企て、ギャングのボスから大金をせしめるストーリーだった。軽快で時に物悲しい主題曲をバックに描かれたコメディー映画。公開後にテレビで何度か放送された映像を、胸のすく思いでそのたびに見た▼特殊詐欺の被害が後を絶たない。人殺しも平気なボスが標的の映画ではなく、罪のない高齢者らが金銭をだまし取られる現実だ。県警のまとめによると、県内で昨年に確認された被害総額は前年比29・3%増の3億5830万円に達し、認知件数は36・9%減少したものの140件に上った▼特殊詐欺はオレオレ詐欺や架空請求詐欺など手を替え品を替えて襲い掛かってくる。手口は巧妙化し、市民の心に付け入ってくる。今度は改元に便乗した新手が全国で横行しているそうだ▼「改元に伴い変更が必要」と、実在の団体名をかたる書類や電話で欺き、キャッシュカードを奪おうとするらしい。県警生活安全企画課は先日、伊那市に所在する金融機関の職員をかたった前兆電話が県内で初めて確認されたと発表した▼こうも次から次と手口を考え、繰り出してくることには感心さえしてしまう。その発想力や構成力を犯罪に働かせるのは世の中にとって大きな損失だとも思う。まっとうで生産的な社会活動に振り向けた方がどんなにいいか。

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