絹文化の魅力共有 岡谷市でフォーラム

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染織家志村洋子さんが基調講演した「日本絹文化フォーラム2019」=岡谷市カノラホール

伝統ある日本の絹文化を未来へ継承する「日本絹文化フォーラム」は28日、岡谷市のカノラホールで開いた。NPOシルク文化協会、同市、岡谷蚕糸博物館などでつくる実行委員会が主催。諏訪地域を中心に大分や福島など県内外から約300人が参加した。「日本の伝統を纏う―奥深き紬の世界」をテーマに基調講演や活動報告などで、伝統的な織物の魅力を共有した。

生糸の一大生産地として発展した同市で、絹文化に関する講演や情報交換を行う場として年1回開き、3回目。紬織の人間国宝、志村ふくみさんの娘で染織家の志村洋子さん=京都府=が「母 志村ふくみの想いを繋ぐ」を演題に、基調講演を行った。

「植物の数だけ色がある」と洋子さん。紬糸を織った、ふくみさんの和服をスライドで紹介し、使用した植物染料について解説した。

藍で染めた紬糸で仕立てた「吉隠」は、ふくみさんの母、小野豊さんの作品を手本にしたという。洋子さんは「祖母の作品の中で、母が一番気に入っている。(母と祖母は)子弟でありライバルなのでお互いに切磋琢磨していた。母は無数の植物で染織を行ったが、吉隠は似て非なるものしか作れないと話していた」と語った。

会場にはふくみさん、洋子さんの作品などを展示した。茨城県結城市の本場結城染織資料館「手織里」の奥澤武治館長が、本場結城紬の魅力について特別講演。諏訪地域の住民がモデルとして参加した結城紬の着物ショーや、岡谷蚕糸博物館の林久美子学芸員による諏訪式真綿紡ぎの実演もあった。

原田尹文実行委員長は「伝統ある絹を素材とした新たな製品ができることに期待しながら、参加者がよりシルクを好きになってくれたらうれしい」と話していた。

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