相次ぐクマ目撃 夏場の出没、早まる恐れ

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クマが人里で目撃されたり、襲われる被害が後を絶たない。秋田県ではタケノコ採りに出掛けた4人が相次いで遺体で発見され、近くで射殺されたクマの胃から人体の一部が見つかったという衝撃的な事実も明らかになった。野生動物との共生バランスが崩れかけている中で、不幸な遭遇を回避するには、どうすればよいか。人里に近づけない対策も急務だ。

県内でも4月以降、各地で目撃情報が相次いでいる。5月には軽井沢町で子連れクマと鉢合わせした男性がけがを負った。今月に入り、塩尻市のJR塩尻駅近くで目撃通報が寄せられ、飯島町では17日、サルの捕獲おりに雄のクマがかかっているのが見つかった。山菜類などを求め、活発に動き回る姿が容易に想像できる。

目撃情報の多さもさることながら、市街地にまで行動範囲を広げていることに改めて驚かされる。だが、人里への大量出没は今年に限ったことではない。2016年には街なかに出現した事例が急増し、社会問題になった。

クマをはじめイノシシ、ニホンジカによる農林業被害が近年急増しているのは、中山間地域の急速な過疎化と高齢化の進行が背景にある。里山が荒れ、耕作放棄地が増えたことで、野生鳥獣の行動範囲が一気に拡大した。

こうした事態は人間社会が招いたともいえる。人里に下れば、果樹類やトウモロコシなどの農作物が実っているし、人間が食べ残した生ごみというご馳走にもありつける。これに味をしめたということだろう。

これから秋にかけて引き続き注意が必要だ。県は16日、夏場に餌を求めて人里に出没する時期が例年より早まる恐れがあるとして、異例の注意喚起を行った。例年7~8月に目撃情報が多く寄せられるが、今年は春先から気温が高めに推移したため、好物のサクラ類やキイチゴの実りが早く終わってしまい、夏場に餌不足に陥る期間が長くなる可能性があるという。

近年は2年に1度の割合で、人里への出没が繰り返される傾向にある。冬眠前の貴重な餌となるドングリなどの木の実が豊作か不作か―にもよるが、今年は大量出没が懸念されている。山菜採りなどに出掛ける際は存在を知らせるラジオや鈴を必ず携帯し、一人で山に入るのは厳に慎みたい。

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