狼落としと唐箕 富士見町指定文化財に

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現在は埋め戻し保存されている「狼落とし」

富士見町教育委員会は、28日開いた町文化財専門審議会に、同町乙事の山林で見つかった、オオカミの人畜被害を防ぐために江戸時代に造られた落とし穴「狼落とし」と、全国的にも古い1784(天明4)年の銘がある農機具、唐箕の町文化財指定を諮問した。町教委によると、構造が分かる狼落としとしては同町立沢に次ぎ全国2例目。同審議会は今後、現地調査を行い指定について検討する。

狼落としは2015年11月、地元の乙事文化研究会の依頼を受けて町教委が発掘調査。口径約8メートル、深さ約3メートルで底から1・5メートルの高さまでぐるっと石積みをした遺構が見つかった。オオカミの人畜への被害に悩んだ村が藩の指導を受けて1822(文政5)年ごろ築造したものと見られる。立沢の狼落としは1980年に町文化財指定された。

町教委は構造や規模が分かる全国的にも貴重な遺構であるほか、穴の中央部分に掘り残したような土の山がある構造が立沢の狼落としと異なることから町文化財の指定を諮問した。

唐箕は穀物から、しいな、もみなどを吹き分ける農機具。江戸時代から昭和50年代ごろまで使われていた。町文化財指定を諮問した唐箕は墨で天明4年の製造年、大工名、使用者名と若宮新田の住所が書かれている。町民から寄贈され、町歴史民俗資料館が保管。羽根が3枚など構造に特徴があり、八ケ岳西南麓で使われた。

専門家の調査によると、銘がある唐箕では1767(明和4)年、82(天明2)年に次ぎ全国で3番目に古いという。

町教委は町文化財では初の民俗文化財として指定を諮問。文化財係長の小松隆史さんは「近世の農具は地域から消えつつあり、使い方などを伝承していく瀬戸際にある。指定を民俗資料の重要さを発信し守っていくきっかけにしたい」と話した。

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