鎌田さんの紙芝居が五山賞特別賞

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五山賞特別賞を受賞した紙芝居を手にする鎌田さん。後ろは諏訪中央病院に展示されているスズキコージさんの作品

諏訪中央病院(茅野市)の名誉院長で作家の鎌田實さん(70)が脚本を担当した紙芝居「かまた先生のアリとキリギリス」(童心社)が、優秀な紙芝居に贈られる第57回五山賞の特別賞を受賞した。紙芝居の世界に新風を送り込む脚本と作画が評価された。表彰式は7月6日に学習院大学(東京)で行われる。

五山賞は1962年、紙芝居作家で教育紙芝居の普及に尽力した高橋五山(1888~1965年)を顕彰して創設された。一般財団法人文民教育協会子どもの文化研究所(東京)が主催し、1年間に刊行された紙芝居の中から最も優秀な作品を選んでいる。

「かまた先生と―」は、鎌田さんが初めて手掛けた紙芝居。アリの勤勉性をたたえ、キリギリスの享楽性を断罪するイソップ物語の教訓を、アリが蓄えた食糧とキリギリスの音楽でともに冬を乗り切る物語にした。キリギリスは夢をかなえるため南の国に飛び立っていく。同研究所は「共生時代にふさわしい寛容と愛と希望の物語のあふれるメッセージで、意義ある作品として高く評価された」と話す。

絵は、強烈な世界観が人気の絵本作家スズキコージさん。「鎌田先生の台本なら」と担当した。紙芝居の描画技法や既成概念を超えた絵画表現で、アリやキリギリスは遠くからでもはっきり分かるように躍動している。審査会では「伝承された技法を改めて考えてみることも必要」などと話題になった。

鎌田さんは、長野日報社の取材に「困っている人がいたら手を差し伸べることを子どもに教えたいと思った。もう一つは自立することの大切さ。三つ目は外見だけで人間を判断してはいけないと伝えたかった。人はもっと複雑で見えないところに魅力が隠されている。そのことを感じてほしい」と話した。

紙芝居は全12場面。定価1900円(税別)。全国の書店で取り扱っている。

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