湖上の鳥類相を調査 信大諏訪臨湖実験所

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湖上に立てた支柱に鳥類の撮影のためのカメラ(奥)を設置した笠原助教(左)ら

信州大学諏訪臨湖実験所(諏訪市湖岸通り)は2日、諏訪湖の湖岸近くで生活する鳥類相の調査を始めた。河川の鳥や生態学を研究している笠原里恵助教(42)らが、湖岸域の湖上5カ所に毎分自動撮影するカメラを設置した。今年度の調査は冬まで続ける予定。夏は主に浮葉植物ヒシを利用する鳥の種類や利用の状況などを撮り貯めた写真を基に分析する。

カメラを設置したのは、諏訪赤十字病院(諏訪市湖岸通り)沖に2カ所、県諏訪湖流域下水道事務所豊田終末処理場(同市豊田)沖、SUWAガラスの里(同)沖、諏訪湖博物館前(下諏訪町高木)沖に各1カ所、いずれも岸から100~200メートルほどの地点。鉄製の単管パイプを湖底に差して立て、水面から1~1.5メートルの地点にカメラを取り付けた。水草の研究を行っている同大大学院総合理工学研究科1年の古郡千紘さん(22)も季節による水草の繁茂や種類の移り変わりを調べるため、同機種のカメラを設置した。

笠原助教が行う調査は毎月10日間ほど毎分撮影するように設定したカメラで湖上を撮る。夜間も鳥の種類が判別できる程度に撮影できるという。定期的に記録媒体を回収し、電池を取り換える。1カ所に付き毎月約1万5000枚の写真データを確認しながら鳥類相を調べていく。

ヒシは繁茂すると、葉が日差しを遮り、湖底の光合成を妨げ、貧酸素状態になるため、水生生物の生息に影響があるとされている。一方で水上では水鳥の足場、営巣の場になっているという声もある。調査を通じ、どのような鳥がヒシをどのように利用しているかをデータで示す。冬季は魚食性鳥類の冬鳥カワアイサの生態の調査にも役立てる考え。撮影場所の5カ所では水中内の明るさ(照度)や水温、水に溶けた酸素の量(溶存酸素量)も調べる。

笠原助教は「夏の調査で言えば、繁茂するヒシの葉の上の状態、上位捕食者の利用状況などをデータで示したい。もしも営巣などで利用されているようであれば、刈り取り場所の選定の参考になるといい」と話した。

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