2019年07月27日付

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したたる脂に食欲をそそる香ばしい匂い。夏の暑さとともに今年もこの時期がやってきた。27日は「土用の丑の日」。うなぎを提供する料理店では繁忙期を迎え、スーパーの食品売り場でもかば焼きが存在感を際立たせている▼「土用の丑」にうなぎを食べるようになったのは江戸時代。一説には蘭学者の平賀源内がうなぎ屋のために考えた販促用コピーに由来するとされる。ただ日本最古の和歌集「万葉集」でも夏痩せにうなぎを勧める句が見られ、既に奈良時代から夏のスタミナ食として親しまれていたようだ▼諏訪地方でもかつて、諏訪湖で獲れたうなぎが高島藩に献上されていたという。岡谷市内のうなぎ店などでつくる「うなぎのまち岡谷」の会の今野利明会長は本紙の取材に「昔は目の前の湖でたくさん獲れた」「うなぎは諏訪の庶民の味だった」と答えている▼時代は変わり、今や高級魚となってしまったうなぎ。稚魚の減少からニホンウナギは絶滅危惧種に指定されている。水産庁のまとめだと、稚魚の漁獲量は今漁期、極端な不漁だったといい、ほとんどが輸入もので補われている状況。仕入れ値も高止まりが続く▼国内では人工稚魚による完全養殖の成功事例も報告されているが、商業ベースに乗るかは今後の話。限りある資源を枯渇させないよう、うなぎを愛する国民として無駄なく、おいしく、感謝を込めて味わうよう心掛けたい。

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