天然の淡水シジミ 諏訪湖で復活の兆し

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「シジミが採れる諏訪湖」を目指し、県が2017年に諏訪市湖岸通り沖に整備した湖底を砂で覆う「覆砂」の事業区域で、天然の淡水シジミが昨年8月に初めて確認されていたことが、県がまとめた諏訪湖環境改善事業調査結果報告書で分かった。同区域にはかつてシジミが生息していたが、湖底の腐泥化によって姿を消していた。

県は諏訪湖の将来像と実現に向けた道筋を示した「諏訪湖創生ビジョン」の中で、「シジミが採れる諏訪湖」の実現を明記している。15年6月に同市渋崎沖で約2500平方メートルを覆砂したのに続き、17年4月には湖岸通り沖の約1万3000平方メートルを砂で覆った。渋崎では覆砂の翌年秋に淡水シジミを初めて確認した。

報告書によると、湖岸通りで確認したのは昨年8月20日で11個を発見した。重さは0・03グラム、殻長は3~4ミリが多かった。「18年度に定着した1年目のシジミと考えられる」としている。同年11月には1メートル四方で高さ20センチの枠を使い、湖底の表層から深さ約10センチの砂を採取して調べ、3地点で計4個を発見した。8月に発見した個体よりも成長していた。今年5月の調査では確認できなかった。

渋崎では、初めてシジミを確認した16年秋以降、5月の調査で採取できない年もあったが、秋の調査では毎年確認している。重さや殻の大きさなどから、報告書では18年度の段階で「生まれてから1~4年目の少なくとも4グループが存在する」とまとめている。湖岸通りでは今年5月には確認できなかったが、秋の調査では発見できる可能性が高い。

調査を担当する県水産試験場諏訪支場(下諏訪町)の降幡充支場長によると、淡水シジミは流入河川にも生息するが、諏訪湖と比べると、流れがあり、プランクトンが少ないため生育環境が良いわけではないという。川で生まれたばかりの小さな個体が流れに乗って諏訪湖に運ばれ、覆砂区域に定着したとみられる。降幡支場長は「生息できる環境があればシジミは生きられる。シジミが育つ湖になりつつあると言えそうだ」と話している。

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