2019年09月02日付

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少し遠出をしたらその地の神社、仏閣を詣でることにしている。訪問の縁をいただいたお礼とあいさつのつもり。近頃は御朱印をいただく楽しみもできた。そんな気持ちで見ると周囲に同好の人が案外多い▼納経の務めもなしに御朱印の拝受を請うのは心苦しくもあるが、神官、僧侶が目の前で記してくれる御祭神、御本尊の印は見とれるほど達筆で、それぞれ寺社の個性も表れて尊い。御朱印収集は世代や国を超えてブームと聞く。人びとの、神社、寺とのお付き合いの仕方も多様になった▼寺社の側にも地域との新たな関わり方が広がっている。その一つに檀徒がささげた供物のおさがりを、経済的に困難な家庭の子どもたちにお裾分けして仏様の慈悲を施す活動がある。奈良県の安養寺が「おてらおやつクラブ」の名で始め、全国から賛同を集めている▼富士見町の長泉寺も今夏加わった。桑澤宥恵住職はおさがりの菓子を近隣の家庭や参拝客に配り、自身の昼食、晩食代わりにもして信徒の心を無にしまいと頑張るうちに体重が16キロも激太り。「世には飢えに苦しむ人もいるというのに」と切なく思う中で活動を知った▼「届けるのは品物だが、受け取ってほしいのは檀徒の皆と仏様の御心」と住職。亡くなった人への供養の思いが、未来を担う子どもの心を育むご縁の輪に、「他人の幸せに喜びを感じられる人、社会でありたい」と願いを込める。

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